先日、クリストファーさんというアメリカ人の方と会食しました。短い時間でしたが色んな話をしました。最初の印象は、言葉の概念が違うので、先ずは定義のすり合わせが必要だということでした。
それでも、彼の主張と同意できた部分がいくつかありました。私はアメリカンイングリッシュのヒヤリング能力があまりないので、彼の話したことを正確には把握していないところもありますが、大体こんな風なことを言っていました。
「たくさんの人達がワンネス体験をしたと言っているが、殆どの人は本物のワンネスとは違うと思う」
私は即座に彼に答えました。
「そうですね。ワンネスや光の体験と言っても、ピンからキリまであります。色んなステージがあります。色んなレイヤーがあります」
少し補足します。
私が17歳の時、生まれて初めて座禅をした時に、最初の「光に還り、ワンネスとアーナンダ(歓喜・至福)の体験」をしました。その時、多くの方がクンダリーニの上昇と誤解している、或るエナジー現象が起こりました。
(詳しくは「最初に光に還った体験−17歳の或る梅雨時の夕方」をご覧ください)
私はその体験から大体20年ほど後に、本当のクンダリーニ上昇、即ち、サマーディー(=ニルバーナ)を成就しました。
マハヨギ・パイロットババジ猊下に教えていただいたのは、17歳の時に起こった「光と至福、ワンネスの世界、アーナンダ(歓喜・至福)の体験」はサマーディーではなく、エナジー現象だということでした。
確かにババジ猊下の仰るとおりでした。私が36歳の時体験したサマーディーでは、皆さんが思っているような、クンダリーニとチャクラはありませんでした。と言っても誤解しないでください。クンダリーニとチャクラは確かに存在しています。そして、真の覚醒はクンダリーニの上昇であることは間違いありません。しかし皆さんが思っているようなものとは全く違うと言っています。
私がサマーディーを成就した時、体感スピードでは数秒で、根源の宇宙が小さく見える距離に移動しました。マインドは無く、ただ純粋観照者でありました。それは、それまで体験した「光と至福、ワンネスの世界」など、全く問題にならないような高い世界でした。
私は物理学の徒ではないので詳しいことは解りませんが、ビッグバン宇宙論でいう観測可能な宇宙の直径は、約980億光年くらいだそうです。その宇宙が小さく見える距離に数秒単位で移動するためには、光のようなチンタラしたスピードでは不可能です。
光速では、天の川銀河の端から端まで約10万光年もかかるそうです。光で980億光年もかかる距離を体感スピードで数秒で移動する速さは、ビッグバンのスピードをさえ遥かに超えています。
だから「第一チャクラのエナジーを第二チャクラに上げてください」なんて言うような、そんなものはチャクラでもクンダリーニでもあるはずがありません。それはチャクラではなくセンターであり、クンダリーニではなくエネルギーに過ぎません。
本当にサマーディーを成就し、クンダリーニの上昇を体験した方は、パラマハンサ・ヨガナンダ・ギリの『あるヨギの自叙伝』の中の「宇宙意識体験」に書かれている半分の方便を知っています。それをご存じだった方は、 24番目のアヴァター様としてヒマラヤのアヴァター様方に認められている我が師マハヨギ・パイロットババジ猊下とヨグマタジ(相川圭子師)、そして ババジ猊下が公開サマーディーに導いた数人の弟子だけでした。
多くの方が「光と至福、ワンネスの世界」を体験したと主張しています。中には前世キリストだったとか、お釈迦様だったとか仰る方もたくさんいました。私の知る限り、20名以上の方がそんなことを仰っていました。しかし、その方たちの中で私の質問に答えられた人は、上述した公開サマーディーヨギの方だけでした。
私はババジ猊下のお話を伺ってから、自称覚者の体験を「疑似クンダリーニの覚醒」とか「疑似エンライトメント」と呼びました。勿論その体験でさえ、常人が成し遂げられるものではありません。それはそれで素晴らしい体験です。そのことは認めています。
私はこれまで何度も光に還る体験をしました。
240日間不眠断食座禅をしていた時は「光と至福、ワンネスの世界」、或いは宇宙が一瞬で悟る(わかる)ような小さな悟り、即ちグランス(一瞥)なら走馬灯のように次々と起こりつづけました。
時間にして0.1秒か1秒に一回そのような神秘体験をしていました。1秒に一回としても一日に8万6千400回です。0.1秒に一回なら、一日84万6千回起こり続けた計算になります。あまりにも多すぎて何が起こったのかさえ憶えていられません。
私は大方の神秘体験はサマーディーでないことを知っています。でもそう言ってしまうと、せっかく神秘体験が起こったと喜んでいる方に水を差してしまうことに気づきました。
普通の人には得られない素晴らしい体験をした人を、わざわざ潰す必要はないと痛切に思わされる出来事が起こりました。そこで最近は「疑似クンダリーニの覚醒」を「プレ・クンダリーニ覚醒体験」と呼ぶことにしています。
「プレ・クンダリーニ覚醒体験」とは、本物のクンダリーニの覚醒ではありませんが、本物の覚醒が起こる前触れの素晴らしい体験です。プレ・クンダリーニの覚醒が起こる事は素晴らしいことです。そういう神秘体験を成就する人は、世の中にそんなにもいません。だから、私は優しい気持ちで言っています。
「貴方はとても素晴らしい体験をしました。でも、更に上の世界があります。そこに満足すると、上には昇れません。更に上の世界があるのでそれを楽しみにしてください」
そのようなことを考えていたら、Mさんという方から連絡が入りました。タイムリーなことにその方は、「クンダリーニの上昇体験があった。クンダリーニの覚醒体験があった」と仰るのです。
そして、Mさんは「ギリジ師がまだ先があると書いているのを見て、リトリートに参加する決意をしました。まだ先があるなんて本当に楽しみです」と仰いました。こういう姿勢でい続けられれば絶対に成長します。
体験に固執して、今の自分が頂点だと思い、自分を守る方は成長が止まります。
私自身、終点に辿りついたとは当然思っていません。まだまだ先があると思っています。
私はババジ猊下とヨグマタジの到達している「サンカルパ・サマーディーヨギ」のステージではありません。サンカルパ(意思)の力で、何時でも何処でも、惑星間旅行ができたり、タイムトラベルができたり、真我独存(カイヴァリヤ)の世界に在ることはできません。
「光と至福、ワンネスの世界」を体験したと仰る方に聞きます。
「それでは今この瞬間に「光と至福、ワンネスの世界」に往ってください」
絶対出来ないでしょう?ご心配なく。私もできません。しかしサンカルパサマーディーヨギはそれができるのです。
知っているでしょうか?
真如(真実の世界)・サマーディーの世界に往き来するときはこの肉体では往けません。呼吸は停止し、心臓は停止、脳波も停止した後にサトルボディー(微細体)でしかサマーディーには往けません。
アインシュタインによれば、物質は光速を超えて移動できません。光速に近づけば、質量は無限大になります。貴方の体重が銀河大になれば、間違いなく死ぬし、重くなるのでスピードは落ちるからです。だから肉体では往けるはずがないのです。これがサトルボディーでしかサマーディー世界(真如)に行けない理由です。自称覚者、“勘ちがい覚者” でこの事実を体験した人はいません。
この世界に還ることができるステージは、サマーディー以前の「光と至福、ワンネスの世界」とは比較にならないくらい高い世界です。
「光と至福、ワンネスの世界」の体験をしている方は大勢いますが、ババジ猊下のように一瞬で肉体的には死に、キリストのように復活することができる存在は世界に数人しかいません。
仏教では如来←→如去という表現があります。如来という言葉を知らない人はいないでしょうが、如去という言葉を知っている人は少ないようです。
如去とは真如に去るブッダという意味です。ババジ猊下がこのマーヤ(幻想)の世界から真如(真実の世界)・サマーディーの世界に去るときは、仏教風に言うなら如去です。
如来とは、如去とは反対に「真如から来生(らいしょう)するブッダ」という意味ですから、ババジ猊下がサマーディーから還られる時が如来です。
ヨガでは、如来←→如去のステージの最終解脱者をサンカルパ・サマーディーヨギと言います。
私も一瞬にして自由自在に肉体を離れてサマーディー世界(真如)に往き、そして自由自在に還ってこれるステージではありません。
だから、私はそのステージに至るまでは、増上慢に陥らずに謙虚さを保つように心がけています。
サンカルパ・サマーディーヨギ、即ち、如来←→如去のステージに至るまでは苦しい道のりが続くはずです。
最近、素晴らしいことが起こり続けていますが、同時に抱えきれない大きな問題も噴出しています。しかも、自分がまったく悪くないにもかかわらず、問題が起きることが多々あります。
真の求道者なら誰でも体験しているはずですが、自分が霊的に成長してくると、存在は我々を試します。これまで色々理不尽な事が起こり、酷い目に会い続ける時期が、貴方にもあったはずです。そういう時は霊的成長する時です。
存在は我々に更にステージアップして欲しいから試練を与えます。存在は我々に目覚めて欲しいのです。
夢から目覚める時、二つの道があります。
一つは、悪夢を見て目覚めることです。
どうしようもない悪夢で目が醒めるケースです。この悪夢は悪魔からではなく、神からの贈り物です。だから、キリストは十字架上で「神よ我を見捨て給いしか!」と叫んだそうです。キリストでも受け取りきれなかった大変な受難だったようです。出来るなら避けて通りたいものです。
磔の後キリストは死んだが、三日後に復活したとされます。「公開サマーディー」の最短期間が三日ですが、意味深です。
余談ですがインドには、キリストは復活後にインドのカシミールに向かった。そしてそこで死んだ、という伝説があります。実際、カシミールにはキリストのお墓があります。
これが事実かどうか私は知りません。でも、あり得ないことでは無いと思います。キリストの教えは、ユダヤ教より、仏教を含むヒンドゥー教の教えに近いからです。
旧訳聖書の世界、即ち、ユダヤ教の世界には「目には目を歯には歯を」という報復律があります。人が誰かを傷つけた場合、その罰は同程度のものでなければならない、もしくは相当の代価を受け取ることでこれに代えることもできる、という意味ですが、キリストは「右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ」と言うのです。これはユダヤ教の報復律とはかけ離れています。
ユダヤの救世主として世に登場したキリストの教えは、ユダヤのラビたちからすればユダヤ教とは全く異質の教えだったに違いありません。だから、キリストは「ユダヤの王なら王冠がいるな!茨の王冠を被るがよい!」と罵倒され、十字架を背負わされ、鞭打たれました。
キリスト在世の時代、インドはユダヤより遥かに文明国でした。インドの宗教文化は中東のそれより遙かに高みに至っています。ババジ猊下によれば、世界中の覚者の95パーセントはインドで生まれたそうです。
キリストがインドの覚者の影響を受けないはずがないと私は思っています。
近代仏教学の開祖でもある、ドイツ人のマックス・ミューラ―は、ヨーロッパ、中東、インドに「インド・ヨーロッパ語族」という言語の原型があると主張しています。古代、ヨーロッパは田舎でしたので、ヨーロッパ語が古代の言語のオリジナルだったという彼の主張に、私は疑問を持っています。西暦がキリスト生誕を基準にしているのと同じ理由で、西洋中心主義的な発想です。もっとも、そのキリスト自身は明らかにユダヤ人ですが。
しかし、西洋の言語の多くがインドの言語と深く関係しているのは事実です。
ヨーロッパ語ばかりではありません。
日本の50音だって、梵語(サンスクリット語)の簡易版なのは、仏教学者や言語学者にとっては常識です。
奈良時代には、梵語は中国を経由して日本の仏教僧にも知られていましたが、本格的に学ばれるようになったのは、平安時代の初めに、弘法大師空海を筆頭とする入唐僧たちが中国に留学して学び、多くの文献などを持ち帰って以来のことです。
梵語(サンスクリット語)には「キャ キュ キョ、シャ シュ ショ、ピャ ピュ ピョ」まであるのです。
夢から覚醒する、もう一つのケースは、素晴らしい夢を見ている時です。この方が悪夢でうなされて目覚めるよりは良いですね。
例えば、ずっと憧れていた美しい女性とキスをしようとしている超ハッピーな夢をみているとします。そしてハートがトキメキ、やっと愛する人の唇にキスしようとしたその瞬間に目が覚めるようなケースです。
「あー!もう少しだったのに!」
そう思って目が醒める体験をした人は案外多いものです。
悪夢を見ても、楽しい夢を見ても、どちらでも眼が醒めることがあります。
私にも今まで色んな受難がありました。私がFacebookでサマーディー成就を宣言したことで、非難もされました。
しかし、私が書いてきたことは総て真実です。
私には一点の曇りもありません。私は一切嘘を書いていないので、誰が何を仰っても構いません。人は他人を騙せても、自分自身は騙せません。自分を誤魔化す人間は、いずれ精神に異常をきたします。
「プレ・クンダリーニ覚醒体験」と言っても、それは素晴らしいものでした。
私は無量の光と無量の時間の中にありました。無心、空の中に在りました。私はアーナンダ(至福)の境地にありました。
でも私は、神秘体験に執着しませんでした。おかげで、その後も何度も神秘体験いたしました。光に還る体験も何度もしました。
そして1989年、私はついに本当のサマーディーを成就しました。
その3年後の1992年、ババジ猊下の神秘的な力に呼び寄せられ、私はヒマラヤの聖地で初めて猊下にお会いしました。その時、猊下は私にこう仰いました。
「貴方は ” 公開サマーディー ” の準備が出来ている」
その後、パラマハンサ・ヨガナンダ・ギリの『あるヨギの自叙伝』の中にある「宇宙意識体験」を読み、一部が事実と違うことに気づきました。
私は猊下に「パラマハンサ・ヨガナンダ・ギリは本物ですか?」と尋ねました。猊下は本物だとお答えになりました。
パラマハンサ・ヨガナンダ・ギリが本物なら、宇宙意識体験に書かれたことは、必要があって脚色されているのだとすぐに解りました。「偽物を見分けるために、総ての真実を明かしてはならない」という教えも知りました。密義が必要なことを初めて理解しました。
ババジ猊下はパラマハンサ・ヨガナンダ・ギリの宇宙意識体験は第三サマーディーだと教えてくださいました。釈尊がブッダガヤで成就したのが第四サマーディーだと教えて頂きました。公開サマーディーが成就できるステージは第四サマーディーだとも教えて頂きました。
私は猊下にサマーディーの真実を知らされました。それはそれまで聞いたことのないようなダルマ(法)でした。
猊下はどんな経典にも書かれていない真実を教えてくださいました。
猊下やヨグマタジは、パラマハンサ・ヨガナンダ・ギリに起こった宇宙意識体験に書かれていない事実を指摘されました。私はそれを体験していたので、猊下やヨグマタジが指摘されたことが事実であることを知っています。
その話は衝撃でした。その秘密はどんな経典にも書かれていません。
何故解るか?それが絶体秘密だから覚者は書かないのです。書いてしまえば、偽覚者が嘘を書いても分かりません。経典には仕掛けがあるのです。偽覚者が嘘を言ってもすぐに解るような仕掛けがあるのです。
逆に言えば、その秘密を知っているババジ猊下とヨグマタジは本物だということです。私は真のマスターに出会えた喜びに打ち震えました。
ババジ猊下のような偉大なマスターと出会っていなければ、自分に起こった事を正確に理解することは出来なかったでしょう。
マスターに出会っていなければ、17歳の時の光の体験を「エンライトメント」だと誤解していたかもしれません。
猊下は、大抵の人がワンネスとか、クンダリーニの上昇、或いは、クンダリーニの覚醒と思っていることは、実はまったく違うということを教えてくださいました。宇宙意識体験をしたと主張する人の大半が、マインドトリップの域を出ないことも知りました。
我々がサマーディー世界に往くときは、この肉体では往けません。所謂「サトルボディー(微細体)・アストラル体」で往きます。その時、肉体は死亡状態になっています。「サトルボディー(微細体)・アストラル体」に乗り換えるからです。
「クンダリーニの覚醒」も、皆さんが考えているものとは全く違います。
私は「何が本物のサマーディーで、何が本物のヨガか」を伝えるために、ヒマラヤから三次元世界に降ろされました。それが、ババジ猊下の願いでした。
我々の願いは「世界平和」と「ガイア(母なる地球)保護」です。その願いを実現するためには、すべての人々が覚醒する必要があります。
私は誰が上だとか下だとか言う気はありません。誰が本当に覚醒していて、誰が違うのかとは言いません。でも何が真実かは言わねばなりません。
ババジ猊下やヨグマタジは真実です。
時にはきつすぎるレッスンもありますが、できるだけアクセプトしています。心が折れそうになるようなレッスンもありますが、私は正直さを貫きます。
Sさんは、そんな私の本質を最も理解してくださる良き友です。
彼とは過去世からのお付き合いです。
彼は私のことをマスターとして観てくださっています。有り難いことです。
でも、私はいまのところ弟子にイニシエーションをして、新しい名前をつけたりはしません。何故なら、私はババジ猊下の弟子だからです。
或いはこうも言えます。私は真実世界の弟子です。
そういう意味で、我々は総て弟子です。だから、私は弟子を持ちません。
でも誰かが私を心の師と思ってくださるなら、その方とは魂の師弟関係であることでしょう。
こんな私にも「信者でいさせてください。弟子にしてください」と仰ってくださる方がいらっしゃいます。それは内心の自由の問題なので、私が拒否することはできません。だからそういう方とは「魂の師弟関係」で在りたいと願っています。
私と皆さんは友人で結構です。誰が上で誰が下だの、誰が覚醒していて、誰が覚醒していないかなどと言う気はありません。
ただ、マハヨギ・パイロットババジ猊下とヨグマタジは本物だと言わせてもらいます。シンプルにそれが真実だからです。
Om Shanti Shanti ! (愛と平和を!)