2022年富山リトリート(中級)体験談 No.10

2022/7/24

2022年7月開催 サンカルパヨガ瞑想リトリートat富山(中級)の体験談をご紹介します。

ミホコ様
1年ぶりのリトリート参加でした。
この1年、サービス業の私は仕事が忙し過ぎて、週末のオンラインダルシャンも逃し、編集のセバもサボり、休日も仕入れしているか疲れて寝てるか。当然、瞑想もひと月に何回できているのか。
案の定、皆さんから何周も置いていかれるばかり。スワミジ師からは何千年何万年も遅れている自覚はあるのか、とお叱りばかり受けていました。
自業自得で春から体を壊し、車の運転もままならない状態になってしまいました。
見かねたスワミジ師のご慈悲で、本来ならハードルが高い〝中級〟リトリートに参加させていただきました。
なのに体力以上に集中力が続かず、初日は1時間を座り切るのに必死でした。霊性の低さを指摘くださっていたスワミジ師のお叱りが身に沁みました。
2日目も情けない有様でした。しかし5時間瞑想が始まったばかりで、オーム音が聞こえます。耳栓をしているせいで扇風機か何かのモーター音を錯覚しているのだと疑ったのですが、聴き極めるために音に集中していると、あまりの美しさと荘厳さに勝手に涙が流れていました。この厳かさは私の脳ごときで作り出せる筈はないと感じつつも、たとえ妄想でも有難いと手を合わせました。6〜8名ほどの男性が絶妙に倍音を響かせているように聞き取れ、アヴァター様方が聞かせてくださっている〝本物〟のオーム音と受け取ることにして、一生この響きを忘れないでおこうと誓いました。
これは落ちこぼれの私を励ましてくださったのだと信じ、夜の瞑想に真剣に挑みました。
ちょうどババジ猊下のお誕生日であるこの日。あと数時間で終わってしまう特別な日の瞑想をババジ猊下に捧げようと気合を入れます。毎回のひと息を今迄の人生で一番丁寧にする心意気で呼吸する。吸う息と吐く息を糸にして柔らかな織物を織り、優しいタペストリーをババジ猊下に捧げるつもりで心を込めました。りんが鳴ったとき、苦しくてもやり切れたという達成感を感じることが出来、ようやく安堵のため息が漏れました。
それを超えると3日目4日目は、私の意識が変わったように思います。瞑想者としてようやくスタートに立てた手応えを感じました。
7時間の長時間瞑想。幕間のような束の間の〝無〟らしきものも体験させていただいたり、過去生に関わるであろうカルマがいくつもポロポロと解消された感触を抱いたり、坐り切ることでの恩寵もいただきました。
4日目の夜の瞑想では哀しいヴィジョンを観ました。
周りに幾体ものミイラがある石室に枯れがれの僧が座っています。どうも即身仏のようです。怖く寒くヒリヒリする孤独。また過去生の一つか…と、感情を味わい切って次のシーンに行こうとするのですが、執こく死にゆく感情を味わわされます。何か言いたいことがあるんですか?いま何を思って座っているのですか?と問いかけてみました。
………「湯気の立つ白いご飯」
料理人をしている現在の私の人生につながる答えに、号泣するしかありませんでした。
そういえば、病んでつらく引きこもるだけの私に、5月のリトリート時、スワミジ師のご飯を作ってきてもらえないかとお声がけいただいたのです。エネルギーが高まっている場に私を引き出し、喝を入れようとの師のご慈悲でした。エネルギーが低い今の私が作るものを師のお躰に入れることはかえって気が進まず、返事を渋る私に届けられたのは「典座(てんぞ=禅宗でいう食事係)というのは瞑想性が高い者が務めるのだ」というお言葉でした。仕事ばかりで瞑想もおざなりな私に高い霊性がある訳もない。そんなことは師が一番ご存知の筈です。なのに、わざとそんなお言葉を私の耳に入るようにされるのか。その優しさに心がシェイク(←スワミジ師がババジ猊下の愛に触れたときによく使われる表現です 笑)されてしまい、謹んで3日分のお弁当を作らせていただきました。
さて即身仏さんは天蓋の下に収まる様子が見え、どうにか終わったようでした。私さ、今料理人してるんだよ。あったかいご飯も炊いてるよ!あなたほど立派でもないしストイックでもないし、平凡だけど一生懸命生きてるよ!と話しかけ、その後は自分で自分を供養するという不思議な時間を持ちました。
瞑想の館という特別なエネルギーの場ゆえか、個人に関わる魂以外にも多くの修行者たちの思いが重なっていた気がしました。諏訪仙人がわかりやすく解説くださっていましたが、チベットやネパールの仏教僧たちの遺念が、特にそんな能力もない私にさえもわかりやすいヴィションを見せ、修行の後押しをしてくれたように思います。
ひとりが上に行くだけで、周りの多くの存在が一緒に救われるのだとスワミジ師は説かれます。何世紀にも渡る数多の修行僧たちの、サマディに到達し得なかった悔しさがアヴァターフィールドに引き寄せられ、同じ修行者である私たちにエールを送ってくれたのかもしれないと考えると、誰もが大きな鎖の一部なのだと思わないでいられません。
もう一つ。
悔しさや悲しみ、拗ねたりひがんだりする感情、自己否定などモヤモヤするものを火種にし、燃やしてしまう技法の効果も納得したリトリートでした。ネガティブなものだけじゃなく全ての感情や思考も全て燃やしてしまえる。瞑想中に出てくるものを薪のように拾い集め、サンカルパの炎にくべるだけでどんどん身が軽くなることを実感できました。こんな上等なお道具を戴いておきながら、しまい込んで鬱々としていた馬鹿な自分を呆れて笑えるほど回復した最終日でした。
アヴァター様方、ババジ猊下、そしてスワミジ師、貴重な機会をどうもありがとうございました。場を整えてくださったスタッフの皆さん、落ちこぼれの私を温かく迎えてくれた仲間たちにも感謝を捧げます。
合掌
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