2023年3月静岡リトリート体験談 No.10

2023/4/1

20233月開催 サンカルパヨガ瞑想リトリート at 静岡の体験談をご紹介します。

No.10 坂根美樹様

今回のリトリート開催を断行してくださり心から感謝申し上げます。

海外在住の私はパンデミックの影響で、昨年10月のリトリートが3年ぶりの参加でした。何が驚いたかというと、皆さんの瞑想性が格段にレベルアップしていることでした。私のマインド(自我)にとってカルフォルニアという場所は、ぬるい空気の中の様なものなのでしょう。日々の私の気づきによる観察眼とサンカルパヨガ瞑想のプラクティスには消滅の危機を感じるほどのことはなかったのでしょう。マインドは三年ぶりの気合の入ったアヴァターフィールドでのサンカルパヨガ瞑想を始めた途端に、これはただ事ではないことに気づいて全身を振り絞って、恐怖の絶叫「怖いよ~死にたくないよ~」と何度も叫びました。私は何とか気づきを持って、マインドとの同一化を切り離そうとしているのですが、いつの間にかまた同一化している自分に気づくという繰り返しでした。結果的に気づきの未熟さと日々のプラクティスの重要性を思い知らされると同時に、探究者として、全方位に謙虚にならざるを得ない自分を浮き彫りにされるという体験をさせていただきました。

前回のそんな体験をふまえて、今回はそのリベンジの筈なのですが、マインドが受けたトラウマはとても強く後を引いているらしく、すべてのやる気スイッチをあらゆる方法でオフにしようとしてくるのです。そんなマインド劇場を冷静に眺める気づきはあるものの、その気づきもいつしか上位のマインド意識にすり替えられていて、マインドがマインドに気づいているという様なことになってしまっており、アメリカンムービーのスーパーヒーロー的な自己(ハイヤーセルフ)は顔を出すことなくカルフォルニアの穏やかな空気に漂っていました。
時に自己愛は自我愛に落ち込み過保護になりがちですが、瞑想と睡眠はそれをリセットしてくれるので日々を新たに過ごしていました。
そんな事を繰り返す日々を過ごしていたある日、歯が痛み始め、思い切って抜歯してもらおうと歯医者に行ったところ、かなりの高血圧であることが発覚して、抜歯どころではない、すぐに病院に行くようにと言われ、追い帰されてしまいました。そのまま病院に行くと、自覚症状のない私に首をかしげるほどの状況だったようです。高血圧の自覚はなかったけれど、生ぬるい覚醒探究者の自覚はあったので、限りある肉体のいのちを自覚する様に促されていることに気づかされ、身体さんに感謝する始末です。

そんな心根の意思の弱さは、帰国のスケジュールを二日目からのリトリート参加という選択をさせました。自分でそう決めておきながら、心にわだかまりを残したままでした。リトリートが近づき一週間前にあったオンラインダルシャンで、そんな心に残したわだかまりを見透かされたようにスワミジ師から直接、初日から参加するように指摘され、ここで立ち上がらないと、この弱い心根は弱いままになってしまうと思い、急遽次の日に航空チケットとレンタカーの予約変更をしたところ、すべてがとても簡単に追加料金も発生することなく変更ができたのです。

スワミジ師が講話の中で繰り返し伝えてくださるご自身の体験談として、サイババのアシュラムからババジ猊下にお会いするまでの出来事の流れが、猊下との邂逅を希求する気持ちを高めてくださり、それが猊下のグルとしてのスワミジへの愛であったことに気づかされたという体験をよくシェアしてくださいます。私にとってこの一連の出来事の流れも、同じことが起きていると感じさせられました。ありがたいことです。

いよいよ迎えた初日、やる気スイッチ全開のサンカルパヨガ瞑想でマインドの声は前回の様に叫ぶ間もなく消滅してしまい、そのまま瞑想に突入、おりんが鳴るまで、絶対に足を崩さないと誓っていたことと、後半からの自動運転スイッチが入ったお陰で足の痛みも消え、8時間半を座り切ることができました。おりんが鳴り、いったん立ち上がり下に降りて休憩をはさみ、このまま朝まで座ろうと始めてみたものの、ほんの2時間ほどで、流れてくる思考を全く捉えることができず、身体も同じように落ち着きのないままでどうしようもなく、あきらめて寝ることにしました。

二日目の朝4時半に目が覚めたので道場に行ってみると、結構たくさんの方が朝まで座っておられました。その中には初参加した方もおられびっくりしました。
講話からサンカルパヨガ瞑想、初日とは違い、深く入ろうとすると、抵抗が強かった。そのまま瞑想、5時間ほどあっという間の瞑想だった。いったん休憩してその後、おりんが鳴るまでの時間はただ思考との格闘だった。

三日目の朝、早く目を覚まし、道場に行ってみると、たくさんの方が朝まで座っておられました。それを見ると長く座れずにすぐあきらめてしまう自分の意志の弱さに落ち込んでしまい、道場に参加した時には必ず参加していた、お寺の朝のお勤めに参加する気力もなくなり、玄関で佇んでいました。この時、あらためて800年以上も前に私の様な凡夫に救いの道を示してくださった、親鸞上人とその信仰の火の元である阿弥陀様の発願にただただ感謝して、その光明にすがるしか身の置きどころがない思いを感じていました。しかしその限りない光明に浴していると、だんだんと元気が出てきて、「そうか、人はどうせ死を迎える、最近は高血圧だと言われているので、いつ逝ってしまうかもわからない、病気で死ぬにしても、何かの事故で死ぬにしても、死んだらもう戻ってこないけど、唯一サマーディは戻ってこられるかもしれない」そんな冗談のようなことを真剣にラッキーだと思い、「そうだ、座れないなら、サンカルパヨガ瞑想にかければ良いじゃないか」。
スワミジ師の実体験をシェアして頂く中で、私はスワミジ師に二つの側面を見ていました。一つは240日間不眠断食貫徹というストイックな修行派経糸スートラな側面、もう一方は自称遊び人であった師が、三か月間のビパサナ・サマタ瞑想から一気にサンカルパヨガ瞑想でサマーディ成就という超お得で最速最短の覚醒の道を実際に示してくださった庶民派横糸タントラの側面です。当然庶民派凡夫の私が魅せられたのは後者です。もちろんスワミジ師は皆さんもご存じの様に、過去生から続けてこられた修行の担保があってのことだと思いますが、記憶をリセットされている私にもそのチャンスがあるかもしれない。光明にほだされた上にお気楽な私はそんな風に思い直し、プラクティスに向かいました。サンカルパヨガ瞑想プラクティス前の講話の中で、阿弥陀様の発願に触れられ、三界を輪廻する凡夫を救い取るまでは仏になっても、その正覚を取らないと願をたてられた話をしてくださいました。私はその三界を輪廻する凡夫がまさに自分のことだと思い、ありがたくてあふれる涙が止められませんでした。
いよいよ開き直った凡夫のサンカルパヨガ瞑想です。どこまで深く入れるのか、凡夫の私が頑張るのではなく、アヴァター様にスワミジ師にゆだねる思いで臨みました。ゆだねるというアプローチはマインドの侵入を防いでくれたのか、今までに経験したことのない領域まで深く入り、そこに既にあった至福をはっきりと感じ取ることができました。そのまま瞑想に入り、初めから自動運転のスイッチが入っていたので、姿勢を整えるためにおきてくれる身体の痛みは、自然に起きる呼吸と共にあっという間に調整され、いつしか静寂に沈んでいきました。息をしているのか、どこにいるのかと思考が起きてくると、ビジョンが現れ、鎌倉の大仏様の中にスワミジ師と一緒に入って内側から輝く大仏様を見上げて二人で微笑んでいます。しかもその大仏様は私の身体だったのです。うれしい体験ではありましたが、やはりマインドが動き出した証拠なのか、その後しばらくすると、起きていた瞑想は終わり、今見たビジョンの意味を考えたり、その考えている思考に気づいたりと思考がむくむくと動き始めて、あっという間にグダグダになって行きました。5時間ほどの起きる瞑想を体験させて頂けたのだと思います。その後のグダグダに1時間、合計6時間の連続瞑想でした。その後は全く瞑想できなくて、ソファーに座ってみたり、下でしばらく休憩したりしながら、何とかおりんが鳴るところまでたどり着きました。

個人的には前回のリトリートよりも随分成長出来て、瞑想時間も何とか10時間は座れたし、サンカルパヨガ瞑想も良くできたと褒めてあげたいのですが、あまりにも周りで起きていることが桁外れにすごいので、自分の成長が小さく見えてしまいます。とは言えほんとに憧れるほど、すごい事が起きているのです。そんな素晴らしい仲間に囲まれていること、そしてたくさんの方が長時間瞑想出来ている奇跡を目の当たりにして、アヴァターフィールド、そして何故そのアヴァターフィールドがここにあるのか、それはリビングマスターであるスワミジ師の臨在のお陰であることにあらためて気づかされ感謝でいっぱいになりました。

ありがとうございました。

私は30年前、OSHOの書いた「般若心経」との出会いが探究への入り口でした。その後「世界平和」をただただ祈るという、易行道を伝えてくださった五井先生に出会いました。当時を振り返ると、貪るように先生の著書を読み漁っていて。その中に何度も出てくる言葉に「いのちを頂きなおす」という言葉がありました。私はその言葉に信仰と覚醒の本質を感じとっていました。
30年経った今、それが何を感じ取り、惹かれていたのかはっきりわかります。それは「サマーディ」だったのです。サマーディこそが「いのちを頂きなおす」ということだったのです。その鍵はゆだねる事、そして信頼、たとえ現われの私は凡夫であっても、凡夫なりに何度も何度も決意しなおす意思、サンカルパだと思います。
そしてサンカルパヨガ瞑想では「ババジ~」「ギリジ~」と絶叫すれば良いのです。

凡夫の絶叫 賢者の知恵に勝る

坂根美樹

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